今の選手達をファンが『私たちそのもの』と言える日は来るのだろうか


1997年11月16日 マレーシア ジョホールバル
ブルーのユニフォームを着た“彼ら”
1954年に予選に初参加してから43年越し
日本サッカー界悲願のワールドカップ出場を賭けていた
試合は90分の激闘を終えなお延長戦を迎えるピッチ上で
選手は円陣を組んだ
その光景を数々のスポーツ実況で名フレーズを生んだ
NHKの山本浩アナウンサーはこう実況した

-このピッチの上
円陣を組んで今散った日本代表は
私たちにとって『彼ら』ではありません

これは『私たちそのもの』です-

 

あまりに綺麗すぎて用意されていたような台詞ではあったが
あの光景をテレビの前で見ていた人々にとっては
まさにそんな気持ちであったのではないだろうか

そして期末試験を2週間後に控えていながら
深夜テレビの前で見ていた中学1年生も
そのフレーズに頷きながら見ていた

他人(彼ら)がやっているにも関わらず
自分も(私たちそのもの)戦っているような錯覚に陥るのが
スポーツの素晴らしさであり、めんどくさいところである

そんな中学1年生は約1年後
ある野球チームの選手達を“彼ら”ではなく“私たちそのもの”として
テレビの前で固唾を呑むことになる

 

1998年10月8日

兵庫県西宮 甲子園球場
日本代表と同じブルーのユニフォーム
“彼ら”はピッチでなくグランドで
38年ぶりの悲願を起こそうとしていた

その様子は急きょTBSで全国中継され
横浜駅で街頭中継、試合のない横浜スタジアムにも2万人近くが集まった

この時、中学2年になった少年だけでなく
横浜市の神奈川県の、全国のベイスターズファンが
甲子園で戦う“彼ら”

“私たちそのもの”として応援していた

そして私たちの悲願は見事に達成されることになる

「ベイスターズファンで良かった」
心からそう思えた瞬間だった

あの日から今年で18年の月日が流れようとしている
中学2年生だった少年は今年で32歳を迎え
サッカー日本代表もあれから3度ワールドカップのピッチに立っている

しかし
あの青いユニフォームの野球チームは
99年からの17回のシーズン
一度も優勝することはなく11回の最下位を経験した
親会社も2度変わり
横浜とベイスターズの間には
18年前YOKOHAMAが熱かった夏に設立した企業名が入っている

「ベイスターズファンで良かった」
と心から言えたことはこの17年で5回もあっただろうか…
そして何より
ベイスターズブルーのユニフォームを身にまとった選手達を
“彼ら”ではなく“私たちそのもの”と呼べた日があっただろうか

確かにここ数年
新しい親会社は私たちをあらゆる手段を使い期待させ楽しませてくれた
新規ファンを呼ぶような企画だけではなく
オールドファンをくすぐるような演出
そしてファンをメディアを喜ばせてくれる“カントク”を呼び
熱い球団になったようだ

昨シーズン
98年以上に多くのファンが聖地横浜スタジアムに駆け付けるようになった
あの時の“私たち”が再び帰ってきた

しかし、それでもこのチームの成績は奮わない
この4年間だけでも6位→5位→5位→6位
12球団で唯一クライマックスステージにも出場がない
それでもファンのチームの期待は大きくなっている

その期待は開幕前にシーズンシートが売り切れてしまうという初めての出来事が物語る
昨年最下位のチームではないかのようだ

このチームのファンには欲がない、優しい
『Aクラス』をマニュフェストに掲げながら
4年で一度もそれに
惜しい結果すら残せなかった“カントク”を
涙ながらに万感の拍手で送り出す姿勢からもそう言える

他11球団のファンからすれば理解されないかもしれない

ここのファンは
目先の“勝利”だけを選手や首脳陣、チームに求めない
(そこを求めていて裏切られ続けてきたためとも言えるが)
勝敗以上の、白星黒星というベクトルでは測れない野球の楽しさを
この17年1番に求めいや、探し続けてきた

甘いのかもしれないが
そんなファンである“私たち”を私は嫌いではない
勝利だけを求めるなら
携帯電話のチームや新聞のチームを好きになるだろう

このチームを応援することがもはや、誇りでもある

しかしある漫画を読んだ時
ふと
“私たち”はそう自分に言い聞かせて
負けることに慣れ切っている言い訳をしてきただけだったのかもしれないと思った

競馬漫画『ミドリのマキバオー』の作者つの丸が書いたその続編
『タイヨウのマキバオー』
その単行本2巻にこんなセリフがある

主人公主馬公であるヒノデマキバオーがレースで負け続け猶
悔しさを見せない姿に
彼の友人である
土佐犬の闘犬である雷電というキャラが
マキバオーとその仲間にこう言う

-負けた数が問題なわけじゃねぇ
負けることに慣れてしまうこと
容易に「負け」を受け入れてしまうことが負け癖なんだ
今回負けても次がある…
いい勝負だったからよし
ツキがなかった
負けることに理由を付け
負けることに寛容になる
敗戦を人ごとのように感じるようになったらキケンだぜ-

 

「今日はツキがこっちになかったということ」
「切り替えて明日の試合頑張ります」
「負けたけど、勝敗以上の野球の素晴らしさを見せることができた試合でした」
“私たち”が何度も聞いてきたこのチームの指揮官や選手から発せられたコメント

そしてそれを普通に受け入れてきたファン…

選手も指揮官も敗戦を人ごとのように感じたことはないだろう
そして本来人ごとであるはずのファンも
贔屓チームの敗戦を人ごとには感じていないだろう

しかしチームもファンも負けに寛容になりすぎてしまっていることは否定できない
このチームが17年もの間浮上できていない理由はここにあるのかもしれない

かと言って
ファンはチームを応援し叱咤激励するしかない

それが出来ないなら
“私たちに”残された道はこのチームのファンであることを捨てることしかない
しかし、それは自分の人生を否定することになりかねない(もちろん、言い過ぎですが…)

だからこそ、今年も信じて応援し
時には罵倒し
ブログなんかで采配批判をし
自分の愚痴を書いて憂さ晴らしをしていく

“彼ら”ではない“私たちそのもの”の選手とチームを信じて

横浜快星会ブログ最下位…じゃなくて再開

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