開幕投手山口という公言は、必要だったのか?


・開幕投手山口を早々に公言したのは失敗ではないか

キャンプに入り連日のブルペン入りで1182球の投げ込み、終盤の実戦でも自信をつけたのか
マウンドで投げる姿は我々の知っているチキン姿ではない堂々たるピッチングをしている
新球ワンシ―ムで三振をとる姿は、今シーズン大きな期待をかけたくなる

新監督ラミレスから開幕投手に指名された山口俊の調子が非常にいい
今シーズンは選手会長にも選ばれチームを引っ張らないといけない自覚も芽生えたのか
秋季キャンプから精力的に練習に励んでいた、そしてそれはこの春のキャンプ・オープン戦でも順調だ

昨シーズン「沢村賞を獲る」と開幕前に公言しながらわずか3勝で終わってしまった悔しさか
今シーズンにでも取得できるFAで自らの価値を他球団に見せつけるためなのかはわからないが
山口が最低でも2桁勝てない限り、ベイスターズの最下位脱出は苦しい
CSを狙うとなれば15勝以上はしないと夢物語

だからこそ、ラミレス監督も山口に大きな期待をかけ1月4日に開幕投手に指名しメディアにも公言した

しかしなぜ、1月というキャンプも始まる前に開幕投手を指名してしまったのか
山口に言うだけならまだしも、メディアを通じて他球団に
開幕の相手である広島に対策を考える時間を2カ月も与えることをしてしまったのか

ここに私は大きな疑問を持っていた

・14年、15年シーズンにも失敗した開幕投手公言

キャンプ前から山口に開幕投手を伝えた意図をラミレス監督は

「キャンプに入った時に何をすればいいかわからない状態で入って欲しくなかった。それに山口とよりよい関係を築きたいと思っていた。彼にいかに期待して柱になって欲しいという思いがあると伝えることができると思った」

外国人監督らしい選手と信頼関係を強く築くためのひとつのコミュニケーション方法だったのだろう
事実、山口自身キャンプではラミレス監督の期待以上の調整をここまで魅せている

しかし早いうちから開幕投手を指名して良かったことが近年この球団ではない

15年シーズンはその前年年末に収録されたラジオ番組で中畑前監督は早々と
「開幕投手は久保」と公言
確かに実績を考えれば文句ない指名ではあったが
開幕戦は久保がピリっとせず黒星

14年シーズンは決してキャンプ前から開幕投手公言という形ではなかったが
各雑誌媒体の取材で「競争だけど、開幕投手は三嶋にやって欲しい」というニュアンスの発言をし
オープン戦と結果が伴っていなかったにも関わらず期待だけで三嶋を開幕投手として送り出し
2イニングで9失点の炎上、三嶋の14年シーズンはわずか1勝に終わった

久保・三嶋が打たれた原因が中畑前監督の早い時期での開幕投手公言だからとは言わない
早い段階で開幕を投げることがわかっていたんだから、しっかり調整しなかった本人達の力不足だ
しかし、わざわざ敵に自らの手の内を早い時期に明かす必要性を感じない
ファンメディアへのリップサービスは違う形でもできたように思える

・1998年は開幕1週間前の開幕投手指名

優勝した1998年

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当時の新監督権藤博が一番悩んだのが開幕投手を誰にするかという点であった
左腕エースで実績申し分ない野村弘樹
若手のホープで2桁勝利を前年あげた背番号18の三浦大輔
そして2年目でありながら安定感のある川村丈夫
新監督権藤は3本柱に開幕の椅子をキャンプ・オープン戦と競わせて
彼らが3人に開幕投手を発表したのはオープン戦最終戦の試合後
開幕まで1週間という時期であった
参考記事:PlayBack’98 4月3日対阪神戦 すべてはここから始まった

98年を例にだすまでもなく、本来開幕投手というのは競争させるものだ
先発投手にとって大きな憧れでもあり栄誉にもなる、今年誰も踏んでいないマウンドに立つということ
ライバルとの争いに勝ってこそ意味のあるものであって
その競争を焚きつける発言を監督はするべきではないか

もし、ダルビッシュ・田中将大・大谷翔平など絶対的エースがいるのであれば
早いうちに開幕投手を指名公言してしまうことは納得がいく

しかし今のベイスターズに実績申し分ないのは三浦大輔一人
かといって球界最年長投手に開幕投手の負担はかけられない
それ以外の投手に無条件で開幕投手の座を与えられる選手はいない
山口であろうと三嶋であろうと井納だろうが
彼らを十把一絡げで「2流投手」と言っても今の実績では失礼にもあたらないだろう

チーム内の競争の活発化、相手チームへの戦略
2つの点で早い段階での開幕投手公言はマイナスにしか働かない

ただ、98年の時のような時代に比べて開幕投手を公言することが
言うほど戦略的に問題がなくなっていることは否定できない

・予告先発によってつまらなくなったプロ野球

ここからは少し本筋とは離れてしまうかもしれないが
開幕投手を早い段階で公言しても問題なくなった理由のひとつに
予告先発の採用がある

パリーグでは不人気時代、興行面での期待から1985年に毎週日曜日に開催される試合で
1994年からは全試合対象に予告先発が採用された

セリーグでは長年戦略面での懸念などから
ヤクルト野村監督、中日落合監督などが反対し2011年まで採用されなかった
しかし2012年より正式に予告先発が採用された

予告先発採用となれば試合前には先発投手を発表しなければならないので
奇襲的な起用もできないし、開幕投手が誰か敢えて隠す意味も少ない

ラミレス監督だけではなく、多くの監督が開幕投手をこの時期までに公言しているのも
予告先発の採用で開幕投手を隠すことに意味をなさなくなったこともあるだろう

しかしこの予告先発自体
私個人的には大反対のルールである

予告先発の採用で強いチームは非常に有利になってしまった
12年当時コーチのデニ―や高木豊はそれを理由に反対であった
指揮官だけが「ファンサービスのためにも」と賛同してしまっていたが

そして予告先発は球場に試合前から行く旨味・楽しみが減ってしまった

試合前スターティングオーダー発表のさらに10分前に発表される先発バッテリーの発表
あそこで今日の先発投手を聞くドキドキ感

自分:「今日は斎藤隆かな(ドキドキ)」
ウグイス:「本日の先発は田辺学」
ズコ----

こんな経験ができなくなってしまった寂しさ、つまらなさを感じてしまう

ファンサービスを盾に予告先発は採用されてしまったが
ファンサービスを出汁にされてしまった感がある

・開幕投手は奪うもの

話が脱線してしまったが
一昨日記事にしたキャンプ前のオーダー固定とレギュラー打順の発表
参考記事:おいラミレス、レギュラー固定できる球団ではないぞ

そして山口の開幕投手公言

ファンサービス、メディアサービスという面もあるのだろうが
それを出汁にされてしまっているようでファンとしては危うさも感じている

特に開幕投手の発表は山口以外にスターティングピッチャーを狙っていた選手の
モチベーションを下げてしまったかもしれない

開幕投手とは本来
与えられるものではなく
勝ち取るものであるはずだ

山口が本当の意味で開幕投手を勝ち取ることを願うばかりだ

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