1998年4月5日 対阪神3回戦 涙の隆復活とエース野村の好投と


564日ぶりのマウンドに立った元エースと左腕エースの継投

2015年現在ベイスターズのエースは誰か
と尋ねられた迷うファンがほとんどだろう

8勝ながら勝ち頭の久保は戦線離脱をしているし
井納をエースと呼ぶには安定感はないし
ルーキー左腕石田や2年目左腕砂田はまだ呼べない
山口なんてもってのほか
結局消去法で今年も三浦をエースと呼ばざるを得ない
しかし、17年前
ベイスターズファンにエースは誰かと尋ねたら同じように迷っただろう
それは消去法ではなく、エースの働きをする投手が多すぎて…

前日にエース番号18をつけた三浦が勝ち、前々日の2年目開幕投手川村が完封
そして3戦目は左腕で入団3年目頃からエースと呼ばれはじめた安定感抜群の野村が登板する
開幕前権藤監督が「開幕3連敗だけは絶対避けたいから計算できる投手を三戦目にした」
と言うように
当時のベイスターズで1番勝ちを計算できる投手野村弘樹が満を持して第三戦のマウンドに立つ

そしてこの試合554日ぶりに元エースもマウンドにたった

この試合の両チームのスタメンは

ベイスターズ
8井上
6石井琢朗
7鈴木尚典
4ローズ
9マラべ
3駒田
5進藤
2谷繁
1野村

先発投手以外は開幕3戦同じオーダー。開幕2戦で8打数6安打のマラべが阪神ベンチを震え上がらせている

タイガース
4和田
9檜山
5ハンセン
7パウエル
3大豊
8新庄
2山田
6今岡
1クリーク

この年から入団した助っ人投手クリークが初登板
期待されていたクリーンアップは開幕2戦でのべ9三振
和田が2試合連続1打席目に安打を放っているが…

試合は
先発野村がコーナーをつく丁寧なピッチングで
立ち上がり檜山にヒットをうたれたものの無失点に抑える
5回に今岡にホームランを打たれて先制を許してしまうが
6回裏に石井の内野安打と尚典のライト前ヒットで1塁、3塁とすると
ローズが犠牲フライを放ち同点に追いつく

しかし、味方打線の援護はこの1点だけに終わり、野村は苦しいピッチングが続く
8回1死1、2塁とピンチを作り交代かと思われたがマウンドに行った権藤から
「この試合お前にやるよ」
と言われてギアを入れ替えて後続を絶ち
結局9回7安打を許しながらも1失点で充分に仕事を果たす

9回裏チャンスを作りながらサヨナラできなかったベイスターズは
10回表
横浜スタジアムに554日ぶりにあの男がコールされる

92年に入団し、93年には8勝をマークし
96年には待望の二桁勝利をあげた若きエース
斎藤隆

斎藤は1997年春に右ひぎを故障し手術
1年間をリハビリに費やした
実は復帰は97年の夏場に間に合うと我々ファンは聞かされていた
しかし、手術後のリハビリの経過が思わしくない

-動かそうとしても動かないし、おまけに手術前より痛いんです。本当に「何でだ!」と叫びたかったですね
(月刊ベイスターズ1998年8月号斎藤隆インタビューより)

ファームでの復帰登板は7月下旬
その頃一軍では斎藤のいない間にエースの穴を埋めようと
必死になって頑張っていた若手投手戸叶、川村、福盛らが
斎藤隆も経験のない優勝争いを演じる場で投げていた
その光景を見て

-「自分がやっている野球(リハビリ)とレベルが違いすぎていて…自分がいなくても…いや自分がいなほうがチームが勝っている」

(98年TBS優勝特番での発言)
とやるせない気持ちを抱いていた

そして1998年キャンプ、先発ローテを勝ち取ろうと決意した斎藤隆に新監督権藤は厳しい言葉をかける
「怪我して1年遊んできた人間を簡単に先発に使うほどウチの投手陣は甘くないよ。リリーフとして投げてもらう」
この言葉に期するものも戸惑いもあったと思うが
元エースは悔しさを押し殺してリリーフ調整を続けてきた

そして遂にマウンドに立ったのがこの4月5日の延長10回だった
リリーフカーに乗りながら
自分のコールが場内に流れると佐々木の登場した時のように盛り上がるスタジアムの歓声に
「涙がでそうになった」と語っている

ブルペンで震えが止まらなかったという斎藤は
10回11回と2イニングを無安打無失点に抑えて全盛期の力を見せつけた

この試合のこの緊張した場面での登板は
「この大事な場面で抑えれば自信につながる」
と厳しい言葉をキャンプでかけた権藤の粋な計らいだったのだ

試合は延長12回代打岸川のヒットを皮切りに
琢朗と尚典が続き1死満塁で打者ローズの場面
阪神守護神リベラが投じた球がワイルドピッチとなり
3塁ランナー代走新井が生還しサヨナラ勝ち
開幕3連勝
左腕エースと元エースで勝ちとった大きな1勝だった

この試合ヒーローインタビューはその両エース
お立ち台で「泣きませんよ」と涙をこらえた斎藤隆が印象的だった

97年の勢いに斎藤隆が加われば…夢が現実的なもの思えた勝利
チームはこの後、前年優勝争いを演じたヤクルトスワローズを叩きに神宮へ向かった

次回は4月7日のヤクルト戦にプレイバック

ベイスターズ2-1タイガース

勝;横山1勝
負;古溝1敗
観客;30,000

試合時間4時間22分

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