オールスターに燃えている男はもういないのか、本当にこのお寒い球宴をお前は見たいか


22年前AS辞退を考え男

「何か悪い事をしたわけじゃないのにごっつ悪い事してしまったみたいですわ」
今から22年前の夏
オールスターのファン投票結果を見た背番号26は悲壮感が漂っていた
外野手のファン投票で選出され本来なら喜んでいいのだが
彼にとってはバツが悪かった
この年彼と同じチームから6人オールスターのファン投票で選出された
しかしそのチームの成績は4位
決してファン投票で何人も選出される成績でも人気球団でもない
その年彼の所属しているチームの本拠地である横浜スタジアムが
オールスタ-の球場になったことで
親会社や関連会社、そして応援団が音頭をとりいわゆる組織票で
多くの選手が選出されたのだ
この年背番号26は一軍半レベルの選手でレギュラーもとれていない
しかし当時の応援団も贔屓にしている選手だっただけに票が集まった
背番号26、佐伯貴弘は純粋なファン投票でないことに気づいていた
自身の成績も考えて彼は辞退を決意していた
しかし彼に出場するように説得した男がいる
読売ジャイアンツの4番打者落合博満
41歳の大打者はまだ25歳の佐伯に言った
「純粋にお前と見たいファンもいるんだ、出ろ」
その言葉で彼は出場を決め晴れ舞台に出場した
そして佐伯の前で彼を説得した41歳は球宴通算11本塁打を打った
それを見た佐伯は
「こういう選手になって出たい」と燃えるものがあったという
翌年、彼は4月に月間MVPを獲得する
そして文句なしの成績で2年連続オールスターに出場した
組織票をバネに彼は成長した
しかし考えてみればこの頃から既に
オールスターにはもう価値がなくなっていたのではないかと思う

真剣勝負をしない選手達

組織票が横行しはじめてのは何も22年前の話だけではない
その何年も前からこのような組織票はあり
80年代には日本ハムが95年の横浜のように
大量に選手を組織票で球宴の舞台に送っている
そして組織票の悪行は2003年に頂点になる
今も事件を「川崎祭」と題されるが
ネットで当時数年怪我で投げていなかった中日川崎健次郎を
ファン投票1位にしようと一部のネット住民が動き
91万票で1位に実際なってしまった。結局本人は辞退したが
球宴というのが一部の人間の遊び道具として愚弄された瞬間だった
そして翌年からファン投票は登録制に変わっていく
しかしファン投票の組織票を語る以前からオールスターは真剣の場でなくなっていた
そもそも出場する選手に真剣さが見られなくなっていた
大事なペナントレースの最中だから怪我をしたくないと辞退する選手も
20年前くらいから多くみられ、今ではそういう選手が出ないように
オールスターを辞退した選手には10日間の出場停止処分が特別処置もなくなり
下される動きがうまれた
また出場する選手もお寒いパフォーマンスに終始し
今やバラエティー番組で
見せられてもつまらないビーンボールからの乱闘コントを球宴でする選手までいる
こんなくだらないものを見せられるくらいならこの時期純粋に休みにでもした方がいい
またいつの日からかファンが望んでいるのは力対力の勝負
球宴ではそういう勝負が求められているようになり
投手は変化球を使ってはいけないような風潮が生まれる
なぜその投手得意とする変化球を投げてはいけないのか
ファンがそんなことを求めているといつ言ったのか
真剣勝負に変化球を使っていけない理由があるのか
そんな風潮を作った当事者の1人である清原が
覚せい剤で捕まっているのを見ると余計に情けなくなる

真剣勝負にした選手達

かつてはオールスターも真剣勝負の場だった
語られるのは1971年のオールスター
当時不調だった阪神タイガース江夏はファン投票1位に選出されると
「こんな俺でも期待してくれるファンがいるのか、ならでかいことをやってやる」と誓い
オールスターで9者連続三振を達成している
その13年後読売ジャイアンツの江川は球宴に選出されると
当時の親交のあった漫画家みずしま新司にある相談をした
「9者連続三振を越える記録ってありますかね」
それを聞いたみずしまはこう答えた
「あるよ、振り逃げを挟めば10者連続になる」
これを本気でやろうとしたのだろうか
江川は球宴で8者連続三振まで奪うと
9人目の大石に敢えてカーブを投げる
空振りして中尾のパスボールを狙ったのかもしれない
しかし大石はあてにいき内野ゴロとなり夢の記録は途絶えた
この真意については江川は答えを今になっても明かさないが
それだけ球宴の舞台で燃えていた選手が多くいたというエピソードだ
しかし今それを本気で狙う選手がいるのだろうか

夢でない球宴ならいらない

もちろん球宴である、お祭りである
時にはシーズンで見られないファンサービスがあってもいい
真剣勝負を見せろと言いながら私はイチローが投手として登板した
1996年のオールスターの仰木監督の采配は支持する
なぜ、野村克也は松井に代打を出したのか
あそこは球宴ならではの松井対イチローをしても良かったのではないか
そんな気持ちが今もある
ただ、今の球宴には本当に魅力がない
近年あっただろうか

多くのベイスターズファンは言う
昨年の球宴、360度の康晃JUMPは感動した!
もちろんあの場に居れば心躍ったのかもしれない
しかしそれはあくまで応援合戦での話
グランドで起きた出来事ではない
その程度の喜びで球宴はいいものだと
言うのも違うのではないかと私は思う
やはり真剣勝負、球宴ならではの勝負を見た時
オールスターの本当の価値が生まれるのだろうと思う
夢でない球宴ならいらない、選手の休養期間にでもするべきだろう

球宴の価値を作るのは選手だ

日本のオールスターが価値がないものにしてしまっている原因は
年に2試合も開催することにある
メジャーのように年1試合にして付加価値をつけるべきだと思うが
年に3試合もしていたNPBにその考えはない
今や視聴率もとれないお祭りに放映権料やら何やらで
しがみ付いて2試合もやる機構にも問題がある
こんな真剣勝負でないおふざけ2試合魅せられてもファンは飽きる

しかし球宴の価値を作るのはファンでもなく機構でもなく
選手達だ、江川や江夏のようにこの舞台で
大記録に挑戦しようと躍起になって
口だけの真剣勝負でなく本気の真剣勝負を見せれば
私のようなファンもまた魅了されるのだ

22年前、初めてのオールスターを組織票で選出された男は
翌年実力でオールスターに選ばれた
しかし3回目に球宴に選ばれたのは2001年
優勝した98年は選ばれていない
そしてその彼はこの2001年を最後に球宴に選ばれることはなかった
引退前のある雑誌のインタビューで彼はこんなことを言っていた

「オールスターには後数回は選ばれたかった。そう考えると最初の年辞退しなくて本当に良かったと今は思いますね」

夢のオールスターを熱くする男はもういないのか
出場する選手に求められるのは真剣勝負だけだ

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  1. 今のオールスターには、全く興味がなく、出た選手はけが人をしないで、と祈るだけ!
    江夏の9連続三振をテレビで観ていた私だか、今でも印象にあるのが9番目のバッターがバックネット方向にファールフライ上げた時に、捕手田淵に『捕るな』と叫んだこと。
    後は、よく知らないがパリーグに居る盗塁王、異性書いた福本の脚とはどんなものかという興味!

    話題変わるが、濱口の故障残念というか何故、あんな状態で、あの試合に先発となったのか!
    もっと、選手間、コーチ、トレーナーのコミュニケーションを取って欲しい。
    濱口自身が、オールスターに出たいから黙っていたとは思うが、100球目途にしていたがタフだタフだと言って、開幕からローテーション守り投げさせて来たツケが来た!
    もう一人心配しているのが、山口の代わりと完投を意識して投げさせている、井納!
    これからの夏場、試合中の采配だけでなく、選手の疲労を考慮した采配が鍵を握る!

    1. コメントありがとうございます
      選手には怪我をして欲しくないとは本当にその通りです
      正直私としては出場しないで帰ってきてくれてもいいよと思っていますが…
      しかし江夏の9連続三振を見ているとはやはり歴史の重みが私なんかのペーペーとは違いますね
      濱口の離脱はやはり首脳陣と選手、トレーナーのコミニケーションの薄さを感じますね
      砂田が最近リリーフで結果が伴わないのも春先の疲労でしょうし
      夏場どのように継投をやりくりするが求められますね

  2. 江川の話は、当時私がまだ読売ファンだった頃ですね。西本ファンだった私でもこの時は途中から、大記録が生まれると思いビデオ録画した記憶があります。
    この年の江川は、シーズンあまり調子よくなく球宴でも2イニングの予定でした。
    ところが、シーズンとうってかわって球速こそ全盛期の150キロも出ませんでしたが145キロでも、この日は、キレキレでした。
    当初の予定通り江川は、2イニングで本人も降板するつもりでしたが、廻りに促され続投した訳です。
    そこで、10連続を狙ったかは聞いたことありませんが
    本人、試合後真意はコメントしてます。
    大石へのカーブは、ボールにして直球で三振取りに行く予定でしたが、コントロールミスしてしまったのです。
    この日のストレートなら、三球三振取れたと思いますが(現にこの日は、ほとんどストレートで三球三振取ってました)最後は完璧にいきたかったようですね。
    当時ロッテだった落合も、シーズン調子悪い投手とは思えないとコメントしてました。
    狙ってもできない、こういうシーンがオールスターの醍醐味ですよね。
    そういえば、大魔人はいつも1イニングでしたが3三振奪ってましたね。
    交流戦も今はあり、昔と違って新鮮味にも欠けるので
    1試合でもいいのかもしれませんが、江夏の記録は並べる選手も挑戦する事もできなくなる事を、考えると
    せめて2試合あってもいいかもとは思いますが。
    昔は、3試合あって昔もそんなに真剣勝負ばかりでもなかったですよ。
    楽しくだるくプレイしてたな~。
    お目当てとの対決は、違ってたけど、
    それと、ストレート勝負なんて、今の打者有利の時代にナンセンスなのは、よく分かります。
    でも、それで三振築けたら凄いという話になりますよね、
    そもそもストレート勝負は、清原というより落合が野茂ルーキーの年に、同じくルーキーの同僚与田を引き合いに出し、フォークでしか勝負出来ないと挑発して与田の方がストレート勝負で上だと言われて、野茂が意地でストレート勝負してホームラン打たれたのが始まりでないかな。
    これは、これで楽しかったですよ。
    落合が、フォーク打てないから駆け引きしたのですがオールスターならではとは思います。
    色々な考え方が、あるとは思いますが選手会が試合減らしたくて、2試合になった訳だし、そもそもオールスターを真剣に今やっているのって若手位でないのかな?
    選手個々人で、考え方違うでしょうね。
    ファンの為のオールスター難しい所ですが、とりあえず私は、
    童心に返って楽しみます。

    1. コメントありがとうございます
      やはり歴史の目撃者の声は私の記事よりも深みも重みもありますね
      私はなんだかんだ江川も江夏も現役時代を知らない世代ですからやはり歴史を目撃できていない悔しさもありますが
      ほんとうにうらやましいですね
      確かにオールスターを何試合もやってる中で歴史的な出来事が生まれるのであってなかなか全ての試合をそれを求めるのも難しいのかもしれませんね
      ただ、だからこそ敢えてこんな記事を書いてみてオールスターに付加価値をつけるにはどうすればいいのかなと思って
      タイトルも少し過激にして記事を書いてみました
      ただ、なんか近年は放送局も数字がとれないのわかっていて無理やり放送している感じもしてなんか10年20年前より
      お寒い感じになってしまっているので書いてみました
      まあ、そんな深く考える議案でもないのかもしれませんが笑
      とにかく私は真剣勝負をやらないなら怪我をせずにベイスターズの選手には帰ってきて欲しいですね

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