ベイスターズファンだからこそ出逢えたモノがある…


2011年10月18日の雨の中で

「4年連続最下位でも応援に来るだけの忍耐力がお前らにあるのか!?」
雨の中、私の後ろの席に座った50代くらいのおじさんが野次をハマスタのグランドに飛ばした
2011年10月18日横浜スタジアム最終戦
グランドレベルでは中日浅尾を中心に歓喜の輪が出来ていた
ヤクルトが独走で優勝すると思っていた2011年シーズン
9月に入り契約延長がないことを告げられた落合監督の下
選手が奮起し、中日ドラゴンズがこの日見事な逆転優勝を決めた
優勝セレモニーを見届ける敗者のベイスターズナイン
胴上げを目の前で見ると言うのは、本当に悔しいことだろう
それはこの日ライトスタンドに座ったベイスターズファンにとっても同じだった
しかしこの日はもっと深い意味で違った悔しさがあった
「これが俺達が愛してきた横浜ベイスターズ最後の試合なんだ…」
TBSが4年連続最下位のこのチームを売りに出すのは
前年オフにも決まりかかっていた話だが
この年はそれが完全に決まっていた
「横浜ベイスターズ」という名前はもちろん
我々が愛して足繁く通った「ハマスタ」で
プロ野球を見ることが出来なくなる可能性が充分にあった
佐々木、谷繁の抱き合いを見てここで嬉し涙を流した時から
わずか13年しかたっていない

1998年というキセキからの…

14歳の自分にとって
贔屓チームが「日本シリーズ」に出ると言うのはどんな気持ちか想像もつかなかった
小学生の時阪神ファンの同級生に「横浜大洋ヨエ―ルズ」と言われ
「パチョレックを奪って2位になっただけのチームのくせに」と言い返していた
そんな低レベルな口喧嘩をする私にとって
ホエールズ、ベイスターズが日本シリーズに出るなんて夢でも描けない話
父親に「大洋も昔は日本一になったんだぞ」と言われても
それは
中学時代の美術教師が
「昔おれはサザンの桑田を教えたんだぞ」というぐらい(実話です)
おとぎ話か昔話か程度のレベルだ
その父には
毎年「水尾は20勝するぞ、これで大洋は優勝できる」
「小桧山はエースになれる」「河原は待望の左のエースになれる」
「広島移籍の長内は30本は打つ」など聞かされてきた私が
彼の大洋優勝昔話を手放しで信じることは出来なかったし
信じたところで30年以上前の話だ…現実的ではない
しかし14歳となり、ファン歴10年を迎えて自分が初めて
贔屓チームが日本シリーズに進出した
忘れもしない10月8日、テレビの前でかじり付いていた
歓喜の瞬間、喜び方がわからない私は
10年願った贔屓チームの日本シリーズ進出だが
戸惑ったのを覚えている
しかし不思議と涙は出なかった
「日本シリーズ進出」で流せなかった涙は奇しくも
その14年後の同日、この98年の立て役者の引退試合で涙を流した

いつまでも追いかけていた98年

「駆け抜けるスタジアム、君の勇姿♪」
360度の赤と青のファンが彼の応援歌をこだまする
「石井琢朗ってベイスターズにいたんだね」
1年前と同じライトスタンドに座る私の前の席の
女子高校生ファンがそう話す
「お前ら、何言ってるんだ!?」心の中でツッコミを入れる

ただ、私の心は
その選手の野球人生が終わる寂しさもあるが
それ以上にこの功労者をベイスターズのユニフォームで
引退させられなかった悔しさ
そしてあの98年を思い出して現状を嘆いてしまうセンチメンタルな思い
あらゆる感情が98年に優勝した時流さなかった涙に変えた
前年最終戦、中日の胴上げを見て心に空いた穴は
DeNAというホワイトナイトが本拠地横浜スタジアムにしてくれたことで
何とか埋まっていたが、このシーズンもこのチームは最下位だった
奇しくも優勝した10月8日と同じ日だったこの試合の最後に
中畑監督が言った
「このチームが弱いのはもう充分わかりました」
ライトスタンドに座っていた私は思わず声が出た
「こっちはそんな事この10年近く知っとるわ」
チーム名が変わってもこのチームの本質は変わっていない
そう感じていた
それでもシーズンが始まれば前年30も40もあった借金が
開幕と同時にリセットされるのと同時に気持ちもリセットされ
私はまたこの充分弱いのがわかったチームを応援していた
そしてまた開幕してすぐ気付くのだ
「このチームは日本シリーズには出られない」と

後19年待つつもりだった…

その琢朗の引退試合から5年…
選手の顔ぶれもファンの数も変わった
そして、このチームの強さも変わった…
「ひょっとしたら…」そんな気持ちにさせてくれはじめた
昨シーズン初めてCSに進出し日本シリーズに出られるチャンスを貰った
明らかにチームは6年前の雨のライトスタンドで見たチームとは
もしくは琢朗引退を同じライトスタンドで見ていた時とは違う
優勝争いを出来るチームになってきた
かつて弱小同盟と思いながら
先に行ってしまった広島の後を確実に追いかけ
今追いつこうとしている
そして昨日、このチームは日本シリーズに進出することが出来た

全てのベイスターズファンに…

6年前の雨のライトスタンドで
「4年連続最下位でも応援し続ける忍耐力がお前らにはあるか」
と中日ファンに野次を飛ばしたおじさんは、昨日のあの瞬間をどこで見ているのだろうか
5年前「琢朗ってベイスターズにいたんだね」と言った女子高生は
昨日の日本シリーズ進出をどこで知ったのだろうか
19年前ベイスターズが優勝を争っている時
東京ドームの立ち見席にいた私と父を
「あんたたちベイスターズファンだな、ならここ座っていいよ」と
席を譲ってくれたあの怖そうに見えたけど優しかった人は
昨日のあの歓喜をどこで味わったのだろうか
私が初めて横浜大洋の試合を見た時
「僕、ホエールズのファンでずっといるんだよ」と言ってくれた
30代くらいの夫婦は昨日どこで日本シリーズ進出の吉報を知ったのだろうか
その夫婦に言いたい、「私はまだベイスターズファンです」と
ホエールズファン、ベイスターズファンで無ければ出会えなかった人々を思い出した日
昨日は全てのファンがそんなことを思った日ではないだろうか

謙虚でありながらも誰よりも熱くそして愚痴っぽいベイスターズファン
昨日はやっと野球の神様がそんな私たちにくれたプレゼントだ

私の親友のベイスターズファンが昨日の歓喜の瞬間
こんなラインをくれた

「後19年は待つつもりだったのに」

野球の神様は今度は38年の半分の試練だけで許してくれたようだ

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  1. ベイスターズ日本シリーズ出場おめでとうございます!
    シリーズ中の快星会さんの試合評が凄い楽しみです♪

  2. ホエールズ、ベイスターズファンを長く愛する皆様の気持ちはいろいろな感情があることでしょう。
    成人する迄は巨人ファン、そのあとはどこのファンにもならずぼけ〜っと野球を見ていた、にわかファンの私には推し量るべく術もなく、尊敬の念を抱くばかりです。
    ただ、そんなみなさんとこれからもにわかファンなりにも楽しく、厳しく一緒にベイスターズを見ていきたいと思います。
    さて、これからのベイスターズの中心になれる選手がこれからのドラフトで沢山入ってくる事を願っております。

    1. コメントありがとうございます
      いやいや、にわかなんて言葉は使わないでください
      私はすぐ応援やめたりする我慢強くないファンですから、今年は巨人に3連敗した時一度ファンを辞めているようなもので…実質ファン歴3カ月くらい笑
      ただ、このチームは応援年数をうんぬんいうファンは少ないですから、昨日ファンになった人も19年前ファンになった人も60年ファンの人も同じベイスターズファンですよ!
      さて、シリーズはどうでしょう…

  3. 千葉で生まれ育った私の周りはみな巨人ファン、そして高校野球の部長や監督をやった父と兄はなぜか阪神ファン。そんな中、巨人ファンからシピンに惚れて10歳の時に大洋ファンとなった私は周りにどんなに馬鹿にされようが大洋を応援してきました。
    大学時代、ガラガラの球場で中日に毎回得点されて途中から中日が点を入れるたびに拍手していた時もありました。
    98年優勝時には九州に居ながら6回もスタジアムに行った熱狂ファンでブレルことなく
    応援してきました。そして今年、CSという制度の中での日本シリーズで云々言う人も居るがどんなスポーツだってルール、制度は変わる。その中で如何に最後に頂点に立つ野球をシーズン中にやるかだと思っている。
    という意味では今回、ラミレスがそんな野球をシーズンにしたとは思っていない。
    CSは雨が救ってくれたが本音。台風21号で2日休めた時は投手陣が休めて勝てるのではと思った。そして広島が中4日で薮田を出してきた時は明らかに緒方采配に焦りがあり勝てると確信した。
    話はずれたが、スタジアム、そしてベイを通じても確かに多くの人やり取り、出会いがあった。貴殿やこのブログに集まる仲間達、私はこれからも辛口コメントをすると思うが宜しく!早々、シーズン後にはオフ会やりましょう。北関東から参加します。

    1. コメントありがとうございます
      私に比べればこのチームを応援してきたFOXさんの苦労は測りしれませんね
      しかし19年でこんな日が来るとは思いませんでしたね
      厳しい私も今日までは少しセンチメンタルな記事をかかせていただきました
      しかしシリーズ批評は厳しく書くつもりです
      もちろん、シーズンオフには今シーズン特に記事をお休みさせてもらっていた9月以降の試合を中心に
      振り返る記事を書いていくつもりですが、たとえ日本一になれたとしても今のラミレス采配を手放しに誉めるつもりはありません
      ただ、同時に賞賛もしなければならないでしょうね
      そして仰るようにCSファイナルは必要以上にベイスターズを警戒してしまった広島緒方采配のミス
      普通にやれば4連敗する相手ではないでしょう
      さて、シリーズの相手はかつてベイスターズを率いる可能性のあった工藤監督
      厳しく試合を見ていきたいと思います

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