須田幸太、32歳の現在地


背番号20の8年目

10年前に訪れた宜野湾とは雰囲気は違っていた
2018年2月1日
12球団が一斉にキャンプ初日を迎えたこの日
昨シーズン日本シリーズにも出場し
今年優勝を目標に動きだしたベイスターズの宜野湾キャンプ
初日からマスコミもファンも大勢押しかけたいた
10年前なら簡単に選手に声をかけサイン握手をしてもらえる環境であったが
これだけのファンが駆け付ければ
球団もサインや握手、ハイタッチの時間をある程度管理運営する
名実共に人気球団、10年前の弱小不人気時代とは違う
その宜野湾から12キロ離れた嘉手納
ベイスターズの2軍がここでキャンプを張る
ファームの方は1軍宜野湾とは違い初日ということもありファンも少し疎らであった
若手が中心のファームキャンプであるが
共に再起をかける男達もここでキャンプ初日を迎えている
今回から数回彼らを中心に記事にしていこうと思う
今日は須田幸太
今年8年目を迎える背番号20
彼の復活が今年のベイスターズの優勝には不可欠だ

2010年豊作ドラフトの1位指名

2010年ドラフト会議
この年のドラフトは早稲田の三羽ガラスが注目されていた
斎藤佑樹、大石達也、福井優也…
4年前の甲子園を駒大苫小牧の田中と共に沸かせた斎藤が
どこに行くかはスポーツメディア以外も注目していた
大石が6球団、斎藤が4球団が入札
巨人入り以外ならメジャーと言った中央大澤村は巨人のみ
肩の故障を伝えられていた佛教大大野は中日が指名した
ベイスターズは大石を指名したがくじ引きで外した
しかしこの年のドラフトは高校生、大学、社会人共に有望選手が多い
いわゆる豊作の年
柳田、山田哲人、牧田、榎田、宮国、西川遥輝、塩見、美馬…
育成の選手にも甲斐、千賀など
現在球界の中心選手とも言える逸材が指名されている
早稲田の三羽ガラスの現状を考えれば
大石や斎藤を外した球団の方が成功ドラフトとも言える
その大石を外したベイスターズは
かつて早稲田で斎藤ともプレーした須田幸太
JFE東日本に所属した24歳を即戦力として指名した
当時の投手陣の悲惨な現状を考えれば社会人の即戦力指名は
納得のいく指名だった

須田の茨の道

須田が入団した横浜ベイスターズには共に
早稲田でプレーした同級生が2人もいた
2年前にプロ入りした細山田、松本
早稲田86年世代が3人同一球団に所属することになった
即戦力を期待された須田は
1年目から弱小セリーグお荷物球団の先発ローテ入り
4月22日に先発としてプロ初登板を経験する
それでも当時のベイスターズは打線も低調
初勝利をあげたのも先発8試合目であった
しかし勝てなかった原因は味方の援護がなかったこと以上に
須田の球質にも問題があった
体もそれほど大きくない須田の球は軽く
すぐにホームランになってしまう
その年の5月13日のバレンティンが1試合3本塁打を打った試合でも
先発須田はしっかり2本献上している
結局1年目は2勝6敗で防御率は5.29
期待に応えることが出来ず2年目はわずか2試合の登板で終わった
ファームでフォームの矯正や走り込みからの下半身強化をすると
3年目の夏場には再度先発ローテ入りし
7月には自身初の初完投・初完封勝利を達成し
この年キャリアハイの6勝をあげた
指揮官中畑も「来年の須田には大いに期待したい」と話した
4年目の2014年だったが
怪我もあり結果を残せずホーム最終戦での先発も3回3失点
既に三嶋一輝、井納翔一と先発陣も育ち始め
ファンの間でも期待を裏切る須田へ失望の感情も芽生え
「来年ダメなら…」と気持ちも生まれた
この4年間で結果を出せない須田にも焦りはあった
須田と大学時代バッテリーを組み
プロでも球を受けた細山田はベイスターズから戦力外を受けており
また松本も結果を残せずライバルたちに水をあけられていた
既に28歳になっていた自分たちがどういう立場にあるかはいやでもわかる
彼にとって翌年がプロの選手でいられるかどうかの勝負の年だった

リリーフエースの屋台骨になって

2015年シーズン
須田は夏場からリリーフとしての活路を見出す
はじめ彼がリリーフとして登板することに
私は彼にピンチを抑えるメンタルがあるのかと思ったが
そんな不安は彼のリリーフでの気合も見れば杞憂に終わる
この年のリリーフ須田は今までの先発須田で見たとは全くの別人
ピンチで強打者を相手にしても向かっていく気持ちは強く
たとえ150キロ越える直球や大きく変化する球がなくても
気持ちで打者を抑えて行く
まさにそんなリリーフエースだった
私が観戦した9月5日の横浜スタジアムでの巨人戦
丁度守護神ルーキー山崎が疲労で不調に陥った
彼を休養させるためにブルペン陣は総力戦状態であったが
その試合の最後
9回1死1,3塁の大ピンチで登板した須田は
アンダ-ソン、堂上を見事に抑えてプロ初セーブをあげる
この試合でベイスターズファンの須田への不安は期待に変わり
信頼へと変化していった
インタビューで
「ピンチの場面の方が気合が入りますね」
そう語る須田はルーキー時代から悩んでいた表情とは明らかに違う
リリーフエースの顔だった

32歳の進む道

それから3年たった今年
かれは嘉手納で8年目を迎えている
2016年シーズンは名実ともにリリーフエースとして62試合に登板
三上、山崎への勝ちパターンにつなげる
大事な勝利の方程式の1人になりCS進出に大きく貢献した
しかしシーズン終盤に左太腿裏の肉離れを起こし
その影響なのか昨シーズンはわずか23試合の登板で終わった
須田が本来の調子であれば順位はもうひとつ上にいただろう
32歳になる須田にとっては一昨年の成績は
自身の契約の助けにはならない
1年1年の結果が来年の契約に関わってくる
ベテランに厳しい査定をするベイスターズで
何人も切られていくリリーフを見てきたことだろう
だからこそ、彼には悲壮感すらある
嘉手納キャンプ初日彼はブルペンに入った
ここ数年の勤続疲労もある彼に
無理をして欲しくないと思った自分は少しビックリしたが
下半身を固定して変化球も交ぜて捕手を座らせて60球近く投げていた
32歳のリリーフ投手にとって今年にかける気持ちは違うのだろう
その後サブの陸上競技場で100メートルダッシュを行い練習を終えた
この日の嘉手納キャンプで1番輝いていた

早稲田の同期細山田も松本も球界にもういない
そして同じ2010年にベイスターズに入団した同期で
同じユニフォームを着ているのはもう荒波だけ
気付けば彼もプロで引き際がちらつく年齢となった
しかしまだ終わるには早すぎる
いや終わってもらっては困る

彼のマウンド度胸は
若いリリーフ投手に生きた教科書にもなる
そしてかつて
彼に対して失望の感情を抱いたファンの心も
今はしっかり掴み
期待と信頼しかない
ファームキャンプを見に来た10数人のサインと写真撮影にも笑顔で答えていた

キャンプ初日嘉手納に
須田のユニフォームを着た小学生が
彼ののブルペンの投球に見入っていた
その小学生のお母さんが言う
「そろそろ帰るわよ」それを聞き
「ごめん、もう少しだけ見ていたいから先に車行ってて」

その小学生に
今年もハマスタで痺れるピッチングを
何度も見せてあげて欲しい

背番号20は20年ぶりの優勝に欠かせない

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  1. とらたろうさん、大好きな須田の私の思いは申し訳ないかもしれませんm(_ _)m

    ドラフトの時は外れ1位で何でと、ガッカリでした!
    当時、社会人野球を結構観ていましたが1位でなくてもでした。かつ、この年の3位は荒波!
    実はこれにはまさかでした!
    地元横浜出身だから?トヨタでは9番バッター、社会人野球で9番バッターがプロで通じるとは思わなかったp(`Д´)qでも、持ち前の足と守備力でゴールデングラフ2回受賞は『あっぱれ』です。

    須田に話し戻すと、2年前の登板過多の影響が昨年はモロに出たし、その回復は??
    今年もゆっくり調整し、夏場からでも良いと思っているが、須田本人からしたら崖っぷちだと思う!
    焦るな須田と強く言いたい!
    私もガッツを全面に出す須田は大好きです!
    1998だとひげ魔神五十嵐とダブります!

    1. コメントありがとうございます
      当時のドラフトで須田を指名したことには賛否両論でしたね
      その後数年を考えるとFOXさんのがっかりは正しかったんでしょうが、リリーフではまると誰も考えていませんでしたね
      先発時代の球質、メンタルどれをとってもリリーフ向きとは思いませんでした
      こればっかりは、須田が努力したとしか思えませんね
      須田の満塁からの三振シーンは昨年の試合批評でもFOXさんが「98年の五十嵐を思い出した」とコメントを下さったのを覚えています
      ただ、私もFOXさんと同じで須田には焦って欲しくないですね、今はゆっくり調整して欲しいですね

  2. 私の大好きな須田幸太、記事にしていただき嬉しいです。
    2軍の情報はなかなかないので、精力的に頑張っている様子なので是非とも
    復活してほしいですね。
    気持ちで投げる投手はやはり欠かせない。
    沢山のベイスターズファンも須田の登板を待っていると思うので、今年はいい結果を残してほしいですね。
    正念場の選手達の奮起を期待しています。

    1. コメントありがとうございます
      須田を見ていると本当に胸が熱くなります
      ルーキー時代には見えなかったあの闘志
      童顔からは想像できないあの気持ちの入った投球
      全盛期の浅尾のようにも見える時があります
      彼が今年60試合投げてくれると間違いなく優勝に近付きますが…果たして

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