1998年4月3日 対阪神1回戦 川村1安打完封 伝説の1年はここからはじまった


19年ぶりの開幕完封で伝説の1年の幕はあがった

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世の中に起きる奇跡と呼ばれる出来事は、おそらく単なる偶然的な事象に過ぎない

ただその偶然の事象が連続して続くのを見ると
それを見た者は勝手に意味づけをし「奇跡」と呼んでしまう

1998年横浜に住み神奈川で暮らしていた者は
この1年に、この地で起きた連続した偶然の事象に「奇跡」と名付けるしかないと感じざるを得なかった
いや、今考えればこの年起きた偶然の事象を後に勝手に「奇跡」と決め付けた

98年
年が明けた1月2日、3日の箱根駅伝で神奈川大学が総合優勝
関東学院大学ラグビー部の大学選手権優勝
春の選抜高校野球 横浜高校優勝
都市対抗で地元日産自動車が優勝
夏の甲子園でも横浜高校が優勝
そして、年末から翌年元旦の決勝にかけて
チーム解散が決まっていた横浜フリューゲルスの天皇杯優勝
そういえば、横浜出身の「ゆず」が夏色でデビューしたのもこの年だった
「神奈川の年」
後にこう名付けられた1998年

連日伊勢佐木町の松坂屋前で無名時代の「ゆず」が路上LIVEを披露していた頃
そこから、1キロも離れていない横浜スタジアムで
この1998年神奈川の年の主役が連夜奇跡を起こしていた…

97年大健闘の2位
そしてオフの監督権藤就任
ベイスターズは38年ぶりの奇跡を起こす準備をしていた

97年12月1日;盛田中根のトレード発表
同5日;永池阿波野トレード発表、荒井幸雄の獲得
この地味に見えて、賛否両論あったトレードも今考えれば奇跡を起こす大事なピースだった

2月1日宜野湾キャンプ
森を連れてこれなかったから仕方がなく内部昇格したように見えた権藤博新監督は
もしかしたら森監督以上にファンやマスコミを注目させてくれたとも言える
権藤監督は就任当初から
「俺は8割ピッチングコーチのつもりでやっている。
監督とは呼ぶな。これは選手だけじゃなくて報道陣もだ。監督と呼んだら選手は罰金」
前代未聞の監督禁止令だった
そしてキャンプ初日の選手を集めての最初のグランドでの権藤の第一声
普通の監督であれば少し長めに今季の目標などを言うところだが
権藤は
「皆さんはプロなんだから、プロらしくやってください、以上」

時間にして5秒から10秒の権藤の所信表明
さらに全体練習は早い時は昼前に打ち上げる短時間練習
選手もファンもメディアも度肝を抜かれた
それでも裏表なく選手の自主性に重きを置く権藤野球は
選手に戸惑いを生むも、選手間でのコミニケーションが増え
選手自身が自分の課題を見つけていった

そんな選手の自主性に任せる権藤が自分で決めなきゃならないのが開幕投手
就任したその日から頭を悩ませた
候補は3人いた
先発陣の中で1番の年長で最多勝タイトルも獲得した事のある左腕野村
昨年10勝をあげエース番号18をつけ、「開幕投手を狙う」と公言する若手成長株の三浦大輔
そして、昨年新人ながら10勝をあげた川村丈夫
ファンの予想では大方野村
もしかしたら、三浦もあるかな…というところだった

しかし、権藤が開幕3連戦一番に考えたことが
「とにかく3連敗をしない」
そこで一番に決めたのが開幕投手濃厚と思われていた野村を開幕3戦目に決める
安定感のある野村が3戦目に投げればもし、開幕から連敗しても
3連敗は防ぐことができる

そして大方の予想を裏切り
開幕投手には県内屈指の進学校県立高厚木高校を出て
一般受験で立教大学に合格した
インテリジェンスな2年目右腕川村を指名する
オープン戦最終戦
野村、三浦、川村3人の開幕候補を一斉に監督室に呼び
それぞれに開幕何戦目に投げるかを告げるという粋な演出をして、それぞれ開幕を迎えた

4月3日対阪神戦

観客動員数は当時のドンブリ勘定方式で発表は30.000人
97年の躍進でファンは優勝を信じて
6年ぶりの本拠地開幕に多くのファンが集まった
当時TVKでのテレビ中継はもちろんのこと、フジテレビではセリーグ開幕3試合3元中継を行っていた
この試合の両チームのスタメンを見てみよう

ベイスターズ
8井上
6石井琢
7鈴木尚
4ローズ
9マラべ
3駒田
5進藤
2谷繁
1川村

波留の脱税問題による出場停止処分で空いた1番センターは、オープン戦で4割を打った井上が務め
新助っ人マラべが5番に座る

タイガース
4和田
9檜山
5ハンセン
7パウエル
3大豊
8新庄
2山田
6星野
1藪

中日を戦力外になった3年連続首位打者のパウエルが4番に座り
矢野と共に関川久慈との交換トレードで中日より移籍した大豊が5番
檜山が2番新庄が6番という強力打線
そして開幕投手はこの時期は常に藪だった

始球式は、この年の2月の長野五輪でスピードスケートで金メダルを獲得した清水宏保が務め
伝説のシーズンが幕を開ける

先発川村は初回いきなり先頭の和田にヒットを打たれるも、後続を抑えて無失点
川村を援護したい打線は
4回にマラべや進藤にタイムリーが生まれ一挙に4点をとると
そのマラべが藪から5回にツーランを放つなど
6回までに8得点

川村は終わってみれば10奪三振で許したヒットは初回の和田の1本のみ
四球が3つあったために
川村自身が「1安打の気がしなかった」というものの
見事な完封勝利
この完封勝利が開幕では19年ぶりという記録のおまけつき
これから
〇〇年ぶりというワードが何度も聞かれるシーズンを予言するかのような勝利となった

そして
前年10勝17敗と大きく負け越し、93年の13勝13敗まで遡らないと4年連続負け越していた
苦手阪神に幸先よく1勝をあげた
この日が神奈川の年、1998年の本物の主役が名乗りをあげる日となる

次回は翌日の阪神第2回戦にPLAY BACK
番長三浦と大魔神佐々木の98年初登板を振り返る
4月3日 対阪神1回戦
ベイスターズ8-0タイガース
勝 川村 1勝
負 藪  1敗
本 マラべ 1号
試合時間:3時間2分

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